緊急事態宣言発出に伴い新型コロナウイルス感染拡大防止対応声明文


緊急事態宣言発出に伴い新型コロナ感染拡大防止対応についての声明文

今、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、人々の命と生活を脅かしていますが、お亡くなりになられました世界中の皆様方にご冥福をお祈り致しますと共に、ご遺族皆様方に衷心よりお悔やみを申し上げます。
また日々、人類がこのウイルスに打ち勝つ事ができるようにと、感染者の治療を命懸けで行なって下さっている世界中の医療現場の多勢の皆様、ワクチン開発にご苦難を伴いながら戦って下さっている全ての皆様に心から感謝を申し上げます。

昨日、安倍晋三総理大臣より全国7都府県に緊急事態宣言が発出なされました。私が居住する愛知県は、現時点では、全国で感染者数が5番目に多い地域でありますが、驚いた事に特定地域には指定されていませんでした。早速、名古屋の河村市長が愛知県も指定して欲しいと言う旨を伝えたと言います。
今や世界的に猛威を奮っている病原体、新型コロナウイルス(COVID-19)に対して、もはや他人事では済まされない現況と言えます。
たとえ緊急事態宣言特定地域に指定されなかった地域であっても、今の状況から言えば、全人類の危機的緊急事態である事には、何ら変わらないものと考えます。

誠に不本意ながらも極めて残念なことですが、報道にあるように、宗教施設や宗教行事がクラスター感染の場に成り得るという事は認めざるを得なく、危険が伴うという事を認識していますが、こうした危機的状況を避ける為の対応策として、当山でも3月より一部の法務を中止、または縮小をしています。

信仰は不動のものでありたいと思うところですが、こうした状況下の中で宗教行事を行うのであれば、徹底した安全処置をとれる範囲内で行うべきと考えます。もしそれらが適わない場合には、行うべきでは無いと思います。
自動車の交通安全祈願と同じように、危険運転を行なって仏天のご守護を頂こうとしても、仏様、神様がそうした無謀、自己的な人間の姿をご覧になり、安全のご守護を頂ける事は無いのと同じように、他者の命の尊さを知り、それを守ろうとする者に、仏天に自身の心と行動が感応し、功徳力となってご加護が顕現いたします。

各種鑑定やご相談、ご首題(御朱印)等の対応は、終息宣言または、ワクチン開発成功の朗報がなされ、実用される段階となるまでの期間は、全ての対応を一時中止する事を既に公表いたしていますが、ご法事、ご葬儀に関しましては、密閉空間、密集場所、密接場面の三密と呼ばれる悪環境を回避できるように最大限の対応を行なうべく、天候に関わらず堂宇及び施設の全ての窓を開けて換気を行い、来山者の方々にお互いに距離をおいて着席をして頂いています。
来山者の皆様にはマスク(お持ちでない方には手作りマスクを差し上げております。)をご着用頂き、入り口にて全ての方々に手指消毒にご協力をお願いいたします。住職及び寺の者もマスク着用で応対(法要時を含む)しています。
尚、ご来山頂いた折に、お茶、お菓子等のご接待を行なっているのが通常ですが、終息宣言がなされるまでは、マスクを外させてしまう行為になるため、来山者の感染リスクを考慮してこれらの対応も一時中止しています。

ご法事及びご葬儀での法要時には、導師(住職)のみが読経を行う事を予めお願いしていますが、皆様方は心の中で、ご一緒に読経、お題目(南無妙法蓮華経)をお唱え下さい。
法華経の『妙法蓮華経 提婆達多品第十二』のお経文の末文には、「黙念として信受す」と言う、ありがたい教えのお言葉が出て参ります。この経文の詳細はここでは省かせて頂きますが、「黙念=黙って心(念)で信じ受ける」という言葉なのですが、ご法事、ご葬儀での法要時には、新型コロナウイルス感染拡大防止対応として、声にしてお経を唱えるのではなく、導師(住職)のお経の声に合わせて、心でご一緒にお唱え下さい。
聞法(もんぼう)と言いまして、同じく法華経にも出てくる教典の用語になりますが、お経を聞いているというだけでも良いのですが、できましたら心の中でご一緒に読経、お題目の南無妙法蓮華経をお唱えいただけましたら幸いです。

いま私は、宗教法人 妙蔵寺の代表役員として、この世界的危機の状況下で一山を預かる重責を感じられずにはいられませんが、先ずは、檀家と信者の皆様、ご家族の方々をお守りする為にも、どうかご理解とご協力をお願いいたします。

世界、全国の皆様にお願いがあります。
今は不要不急の外出を避け、外に出る時には必ずマスクなどを着用し、ご自身の安全の為に命と身を守る行動をお願いいたします。

「あなたがウイルスから自分を守る事が、誰かの命とそのご家族を守る事に繋がっています。」多くの尊い命をお守りする事に繋がると言う事実をよくご理解下さい。

外であるからという安易な考えはすぐにお捨て下さい。それらの行動が他の誰かの意識を低下させてしまう恐れがあります。危機意識をもって、お互いに命を守り合いましょう。日蓮宗では現在「いのちに合掌」をスローガンとしています。まさに今、他者の命をお守りする行動、模範的な行動と対応をお願いいたします。

また多くの仏門に身を置かれる僧侶の方々も、すでになさっていらっしゃる事と万事承知でありますが、お互いに危機意識をもって終息に繋がる模範的行動を引き続きお願いいたします。

私は、仏門に身を置く僧侶として、仏弟子として、自分がもしウイルスを保有していたら、もし誰か他者に感染をさせてしまい、どなたかの命を死に至らしめるような事になってしまったら、誰かを知らないうちに殺してしまっていたとなれば、これは誠に恐ろしい業を背負う事にもなりかねないと、自分の行動に責任を持たなければならないと危惧しています。
仏教にはインドで、雨安居(うあんご)という修行僧の習慣があります。これは雨季になると多くの生物(昆虫)が地表に出てくる為、誤って踏み潰し殺生をしないように、堂宇に篭って修行を行うという期間の事です。
私は仏教者として、いま雨安居に徹して妄りに外出を避けるべき時期と考えています。
どうか皆様も今はただ事では無いと自身をさとし(持戒)、少しの間、辛抱(忍辱)し
冷静(禅定)な判断(智恵)と行動(精進=実践)を行い社会貢献(布施)をお願い致します。
今、仏教で言う六波羅蜜(ろくはらみつ 布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)の行動に通づる身の振り方が大切です。

仏教、仏道は人の困る事、悲しむ事をしないというのが、最低限たる仏様(お釈迦様)の教えと道(実践)です。
本日は、釈尊降誕会いわゆる「花まつり」の呼称でしられていると思いますが、お釈迦様がお誕生なされたご聖日です。命は尊いものであると仏教が説き示して古来より先人たちが今日にその尊厳を伝えてきたありがたい聖日です。

「天上天下 唯我独尊」(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)

あなたの命が大切です。

この新型コロナウイルスの終息に繋がる行動を、人類一丸となって行なっていきましょう。
ウイルス感染拡大防止に努めるのも立派な菩薩行(仏に成ろうとする菩薩の行い=修行)です。

計画していました有志者による参拝修行旅行を、取り敢えずは1年延期と致しましたが、ご理解を頂きました皆様に感謝を申し上げます。
合掌稽首礼拝


 


2020年04月08日